ドラマの評価方法

〜NHKの場合〜


 ドラマの良し悪しとは何で判断できるのでしょうか?
 よく言われる指標の1つに視聴率があります。 CM契約の際に視聴率を使っている民放では、非常に重視しているようです。 しかし、視聴率は「テレビ番組やCMがどれくらいの世帯や人々に見られているかを示すひとつの尺度」であり、 「必ずしも番組やCMそのものの価値や質を、直接的に表すものではありません」。 (参考:ビデオリサーチ)
 では、CMのないNHKは、何を判断材料にしているのでしょうか?  その参考になる資料を見つけたので以下に紹介します。



日本放送協会 第984回経営委員会議事録
会議日時:平成16(2004)年12月7日 午後3時〜午後5時

議 事
1 (略)
2 審議事項
(1)平成17年度国内放送番組編集の基本計画について
 (NHK役員の説明は略、質疑応答のみを以下に引用、経=経営委員、N=NHK役員)
経:ドラマに非常に好評なものがあるということですが、その評価はどういう方法で行うのですか。
N:視聴者の皆さんからいただく電話の声を集計しています。好意的な意見や再放送の要望などが多い場合は好評と判断できます。
経:それは定量的に判断できるものですか。何か客観的な基準があってもいいと思うのですが。
N:寄せられた意見の総量を経験的に判断しているということです。その他には、考査室が実施する番組モニター制度がありまして、モニターの方に番組を指定して、見て評価してもらい、その報告を分析して番組評価の参考とするものです。
経:定量的な基準という意味では番組モニターの方が意義があるように思われますが。
N:調査に一定の時間はかかりますが、ひとつの指標です。反響という意味で電話の集計も意義はあると考えています。
経:現在の厳しい状況の中で、NHKの“番組”に対する期待は非常に大きいものがあります。コンプライアンス活動の推進とともに、公共放送NHKならではの質の高い番組の編成を要望します。
(2) (略)
(3) (略)
3  (略)
(全文はこちらを参照のこと)


 ここで若干補足を。 経営委員会というのは、NHKの重要事項を決定する最高意思決定機関です。 衆議院と参議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命した12人の委員で構成されています。 実際には、民間企業の経営者や大学教授などが選ばれています。 民間企業で言えば、取締役会に当たる強い権限を持った機関です。 最近では、NHKの不祥事関連で経営委員会のあり方が批判の的にもなっています。

 この質疑を見ると、NHKのドラマ評価方法には2種類あるようです。

1.電話での声
 よく言われるもののひとつ。 マスコミの報道でも「放送局に100本の電話があった」というような話はよく出てきます。
 好評というのは、好意的な意見や再放送の要望が多い場合のことを言うようです。 電話の声がここまで大きな意味を持つのは、個人的にはちょっと驚きです。
 FAX、手紙やウェブ(メール・掲示板)に関しては触れていません。 これらも同様に評価の手段として使えると思うのですが、どのように活用されているのかは不明です。

2.番組モニター
 毎年募集している番組モニターのこと。 NHKの指定する番組を視聴して、その番組についての意見や感想のレポートを提出するシステムです。 このレポートをNHKで分析することで、番組評価のひとつの指標になっています。 時間がかかるのが難点のようです。

 視聴者が直接意見をいうことは、思いのほか評価に役立っているようです。 皆さんも意見がある場合は電話してみてはいかがでしょうか? ただ、なかなか電話がつながらないという噂もありますが。

 なお「視聴率」という文字は、この回の経営委員会では全く出ていません。 本当に気にしていないのかどうかは怪しい気もしますが、 NHKのドラマで「視聴率は高いから良い」なんて単純なことが言えないのは確かなようです。

2005/1/22 記

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